こわい!突然の失神(意識消失)
「突然意識を失い、その後速やかに意識を取り戻す症状」を「失神」と呼びます。失神で救急外来に来られる方の割合はおよそ3%だと言われており、「いきなり倒れてしまった」「気が遠くなった」と訴えて来院される方がほとんどです。そのため、意識を失った際にケガをしてしまう方も多くいらっしゃいます。
目の前で人が倒れたらどんな姿勢にしてあげたらいいの?
呼吸はあるものの意識がない・呼びかけても反応しないときには、「回復体位」をとることが重要になります。以下の手順で、回復体位をとらせてください。
- 横向きに寝かせます。
- 上にある手を、手のひらが下を向くようにして、顔の下に差し入れます。
- 顎を前にやや突き出させ、気道を確保します。
- 上にある太腿を、身体の前に出し、膝を直角近くの角度で曲げます。(背中側に倒れないようにするため)
失神(意識消失)が起こる原因
血圧は自律神経によって調節されていますが、自律神経が障害されると、血圧が低下し失神が生じることがあります。また、降圧薬等によって血圧が下がりすぎると失神をきたすこともあります。これ以外に、不整脈や心筋梗塞、大動脈解離などの心血管疾患や消化管出血、神経疾患によっても失神することがあります。
医師や救急隊に伝えること
失神時、ご本人が失念していることも少なくないため、近くにいた人が、そのときの状況などを医師・救急隊員などに伝えることが大切です。
- 何をしている時に起こったのか
- 痙攣がなかったか
- 失神している時間はどれくらいあったか
- 失神によって倒れた時に怪我をしていないか
いつ病院へ行くべき?
失神の原因はさまざまです。
失神したときには、その日のうちに医療機関を受診しましょう。医師に失神した時の予兆・状況・回数を伝えるようすると原因究明につながります。どのような原因によって失神が起こったと考えられるのか、患者様・ご家族が共有していることも大切です。
検査・治療
一般に、以下のような検査・治療が行われます。
検査
既往歴、失神前後の症状などをお伺いし、以下のような検査から、必要なものを選択します。
- 心電図検査
- ホルター心電図検査(24時間心電図検査)
- 心エコー検査
- 血液検査
失神は必ず検査を受けてください
失神は、自分を傷つけるばかりでなく、事故を引き起こすなど周囲の人も傷つける可能性があります。
すぐに症状が回復したからといって軽視せず、必ず受診をするようにしましょう。