『間食』いわゆるおやつのことですが、皆さんの多くはこの間食を日常的に取り入れているのではないでしょうか。
そもそも間食とは、3食の食事以外に摂取するエネルギー源となる食べ物や飲み物を指し、栄養補給や気分転換、また生活にうるおいを与える役割があります。
幼児期・発育期の子どもは、エネルギーや栄養素の必要量が多いにも関わらず、一回の食事量で食べられる量や時間が限られています。このため、1日の必要量の10〜20%程度を目安に、3食の他に10時や15時などに間食をとって必要量を満たす必要があります。
一方、成人の間食は栄養補給といった目的でないことが多く、間食の量や質、食べる時間によっては、肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因となります。
特に、夜間の間食はメタボリックシンドロームと関係し、太りやすいことが分かっています。さらに夜間は脂肪を体に取り込む活動が活発になるため、余分な脂肪が体脂肪として吸収されやすくなります。
このため、午前中か遅くても午後4時までに間食を摂るのが理想的です。
量は、1日に必要なエネルギー量のうち10%が1日の食事バランスを崩しにくい量と言われています。
では、1日に必要なエネルギー量のうち10%とは、どのくらいの量なのでしょうか。ここでは身長に対し理想的な体重を求めて、それを元に必要なエネルギー量を計算しました。エネルギー量とはカロリー数のことです。
身長別に見た1日に必要なエネルギー量は以下のようになります。皆さんもご自身の身長を当てはめて、適切な1日に必要なエネルギー量を把握してみてください。
必要エネルギー量(kcal)
そして、気になる間食のエネルギー量ですが、1日に必要なエネルギー量のうち10%が理想的であるので、以下のようになります。
間食理想エネルギー量(kcal)
また、日常的に力仕事が多い方や、たくさん運動をされる方は、エネルギー消費量が多く、この数字よりも多くのエネルギー量が必要です。だからといって、間食としてたくさんのお菓子や軽食をとることは、肥満などの生活習慣病に繋がります。
以上をふまえて、おおよそ200kcal前後が間食の適正量だと言えます。
では、おおよそ200kcalとは何をどのくらい食べると良いのでしょうか。
下の表を参考に考えてみます。
例えば炭酸飲料。よくスーパーなどで見かけるコーラやビタミンの入った炭酸飲料ですが、ペットボトル1本500mlでおおよそ200kcal前後です。炭酸飲料を1本以上飲めば、食事バランスを崩しかねません。
あんパンなどの小さめの菓子パンも1個あたり200kcalである場合が多く、1個未満に抑えましょう。
ミルクチョコレートは、35gで約200kcal。板チョコの⅔枚程度に相当します。クッキーだと3枚程度となります。
これらの量はとても満足できるような量ではないですよね。きっと皆さんの中にも、少ない、もっと食べたい!と思われる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、間食をせず、3食きっちりバランスの取れた食事をとるにこしたことはありませんが、それだけでは人生の楽しみが、、、といった方におすすめなのが、果物を取り入れる方法です。
果物は、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で体調を整えるほか、血糖値の上がりやすさを示す指数(GI値・GL値)が低く、糖尿病予防にも効果的です。
例えば、チョコレートは2〜3かけらに抑え、それにキウイ1個を加えたり、カップアイスを半分にして、上から冷凍の果物をトッピングし、残り半分のアイスは冷凍庫に戻すなど、いつも食べているお菓子の量を減らして、果物を追加することは食べ過ぎ防止に繋がります。
また、最近よく見かける高カカオのチョコレートは、動脈硬化リスクの低減や精神的健康度の向上に繋がるといった研究結果もあり、いつも食べているチョコレートを高カカオのものに置き換えることは、健康にとってとても有効です。
みなさん、バランスの取れたお食事を維持できるように、是非、ご自身にとって適切な間食の量を把握し、お菓子選びをしてみてください。
参考文献
最終閲覧日:2024/5/31