夏の暑さに体力は失われ、ごはんをしっかり食べる時間はないけれど、朝からちゃんと栄養を摂りたい。
そう願う方は少なくないはずです。
そんな方にオススメの食材があります。
それは夏から秋にかけて旬をむかえるイチジクです。
私たち谷口循環器内科が所在する兵庫県は、イチジクの名産地であり、朝採り、完熟で出荷されるため、とてもあまくておいしく、人気の高い特産品です。
兵庫県ではとても馴染みのあるイチジクですが、あまくておいしいだけでなく、栄養価にも優れています。あまり知られていませんが、イチジクには水溶性食物繊維、カリウム、鉄が多く含まれており、体にとって良い効果が多方面に期待でき、高血圧や脂質異常症など、生活習慣病の予防や改善につながります。
水溶性食物繊維
腸で栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着し、体外へ排出することにより、血液中のコレステロール値の低下にも働きかけます。
また、大腸内の環境を改善する腸内細菌に利用され、これらの菌を増やします。
カリウム
ナトリウム(塩分)の排出を助け、むくみ解消や高血圧の予防になります。
鉄
特に月経のある女性は、1日に10mg前後の鉄摂取が必要です。イチジク約1個分(100mg)に含まれる鉄の量は0.3gと少なく見えますが、これはゆでた同量のひじきに含まれる鉄の量と同量です。
このように、みなさんの体に役立つ、イチジクを手軽に取り入れられ、サッと作れるレシピをご紹介します。
さっぱりしているので、朝食や間食にオススメです。
夏の鉄分補給に!
5分でパパッと、
イチジクまるまるバゲット
レシピ(1人分)
イチジク: 1つ
バゲット(フランスパン):2~3切れ
オリーブオイル:小さじ1
塩:少々
粗挽き胡椒:少々
1人分 200cal 塩分1.2g
作り方
- バゲットは、食べやすい薄さに切り、お好みでオーブントースターで2分ほど温める。
- イチジクは、皮付きでも皮を剥いても〇。切り方も自由。手で割るのも◯
- こんがり温めたバゲットに切ったイチジクを盛る。
- オリーブオイル、塩、胡椒をまぶす。
バゲットがなかったら食パンで代用することもできます。
イチジクは、皮を剥かずに食べると廃棄部があまりありません。また、種を取る必要がなく、花は実の中にあり、プチプチとした食感を楽しむことができます。
イチジクは、まるっと1個食べられるため、調理の時短につながります。
また、今回使用したオリーブオイルは、ほとんどが不飽和脂肪酸という油で構成されます。不飽和脂肪酸は、体内で合成することができず、植物や魚から摂取する必要があります。血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値の減少に期待できます。
また、大腸で便の潤滑油のような役割をするため、食物繊維が豊富なイチジクとの相乗効果で便秘防止に働きます。
しかし、オリーブオイルは油ですので摂取のしすぎは肥満や下痢の原因となるため、1日大さじ1杯程度を目安にしましょう。
参考文献
- 厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html