骨密度検査を受けたことがありますか?
骨密度は男女ともに20歳をピークとして、年齢とともに年齢が進むにつれ20歳をピークに減少していきます。
骨密度が減少することで骨粗鬆症と言われる状態になり、背骨が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、咳やくしゃみなどわずかな衝撃によって骨折し、生活機能に支障をきたしてしまいます。
骨粗鬆症の初期には自覚症状がなく、症状が現れないまま進行するのがこの病気の特徴です。
症状が現れたときには、既に骨粗鬆症が進行している場合もあります。また、一度骨折を起こすと、再骨折する可能性が倍増してしまいます。つまり、治療は症状が現れてから始めるのではなく、骨量が減ってきた時点で治療を開始することが重要となります。閉経を迎える50歳前後から骨量が急激に減少し始めますので、50歳になる前に一度は、骨密度検査を受けることをお勧めしています。
骨密度を調べるには?
DXA(デキサ)法
(二重エネルギーX線吸収測定法)
エネルギーの低い2種類のエックス線を組み合わせて行う検査で、エックス線を測定部位に照射することにより、その透過度をコンピューターで解析し、骨量を測定します。測定した骨量を単位面積で割った値で骨密度を算出します。
測定する部位は、腰の骨と脚のつけ根の骨です。骨密度検査の中でもっとも精度が高く、多くの診断時に利用されています。
検査時間は約10分で放射線の被爆量も少く、痛みを伴うこともありません。
MD法
エックス線を用いて、手の骨と厚さの異なるアルミニウム板を置き、同時に撮影します。骨とアルミニウムの濃度を比較することにより、骨密度を測定しコンピューター解析する方法です。検査時間は数分で放射線の被爆量も少く、痛みを伴うこともありません。
超音波測定法
超音波の伝搬速度を使って骨を評価する方法で、かかとやすねの骨に超音波を当て、骨の中に含まれるカルシウムなどの状態を測定します。簡単で放射線を使用していないため検診などで多く利用されていますが、スクリーニング検査であり、診断することはできません。こちらの検査も痛みはありません。
骨粗鬆症の治療は?
骨は常に新陳代謝を繰り返しています。古くなった骨を溶かす骨吸収と新しい骨を作る骨形成によって作り替えられ、健康な骨を維持しています。この骨吸収と骨形成のバランスが保てなくなり、骨吸収が骨形成を上回ることで骨粗鬆症となります。
骨粗鬆症の治療薬には、毎日内服する薬剤や半年に1回注射をする薬剤など多くの薬剤があります。
現在治療中の病気や既往歴などを考慮し、患者様のライフスタイルに合わせた薬剤を選択し、治療が継続できるように当院ではサポートしています。
① 骨吸収を抑制する薬
- ビスホスホネート製剤
(アレンドロネート・リセドロネートなど) - 抗RANKLモノクローナル抗体
(プラリアなど) - SERM選択的女性ホルモン剤
(ラロキシフェン・バゼドキシフェン)
② 骨の代謝を助け、腸からの
カルシウム吸収を助ける
- 活性型ビタミンD
(アルファカルシドール・エルデカルシトールなど)
③ 骨形成を促進して骨量を増やす
- 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤
(フォルテオ・テリボン)
④ 骨吸収を抑え、かつ骨形成も促す
- 抗スクレロスチン抗体薬
(イベニティ)
⑤ 閉経に伴う
女性ホルモンの低下を補う
- SERM
(ラロキシフェン・バゼドキシフェン)
骨粗鬆症患者様の多くは、骨折を起こしてから治療を受けていますが、骨折を起こさないように治療することがとても大切です。当院には骨粗鬆症マネージャーの資格をもつ看護師が在籍しています。
骨粗鬆症に対して不安がある方、治療を中断しそのままになっている方はご相談ください。